もうすぐ参院議院議員通常選挙です。今回は岐阜の選挙について考えてみましょう。
目次
岐阜の選挙区
まずは衆議院議員の選挙区の話からです。岐阜県の選挙区は5つです。第1区は岐阜市です。第2区は、大垣市、海津市、養老郡、不破郡、安八郡、揖斐郡です。第3区は、関市、美濃市、羽島市、各務原市、山県市、瑞穂市、本巣市、羽島郡、本巣郡です。第4区は、高山市、美濃加茂市、可児市、飛騨市、郡上市、下呂市、加茂郡、可児郡、大野郡です。第5区は多治見市、中津川市、瑞浪市、恵那市、土岐市です。第2区は西濃地域と、第5区は東濃地域と合致します。第1区と第3区があわさって岐阜地域となっているのですが、人口の関係か岐阜市だけが第1区を形成していますね。その人口の関係か、第4区が地理的にはとても無理がある状況となっています。地域的には飛騨地域と中濃地域が合わさっているのですが、地図上では岐阜県の中心を南北に連なる形になり、候補者の選挙活動はとても大変だと思われます。岐阜県の人口が多い自治体は上位3つが岐阜市(約40万人)、大垣市(約16万人)各務原市(約14万人強)です。第4区を形成する高山市は約8万人、可児市は約10万人です。1票の格差を是正するのはなかなか大変なのですね。第1区から第5区までの衆議院議員がそれぞれ野田聖子、棚橋泰文、武藤容治、今井雅人、古屋圭司(敬称略。以下同じ)です。第4区の今井雅人を除き自民党所属議員です。第3区には比例で復活した仙田晃宏(国民民主)、阪口直人(れいわ)、第5区には真野哲(立憲民主)がいます。小選挙区では5人中4人が自民党議員です。参議院議員の選挙区は都道府県単位となりますから、岐阜県全域が選挙区で、現在の参議院議員は大野泰正、渡辺猛之です。2人とも自民党議員です(大野泰正は現在無所属です。)。岐阜県がいかに自民党王国か分かりますよね。
自民党でいいですか
このように岐阜県は自民党王国なのですが、果たしてそれでいいのでしょうか。日本の政治は問題が山積みです。最近はれいわの米騒動と言われ、お米の高騰が社会問題となっています。これに関連すれば、物価の高騰にもかかわらずなかなか上がらない給料の問題があります。それ以外にも、歯止めがかからない人口減少問題、人口減少に対処するための外国人の受け入れ、年金、健康保険とどんどんひどくなる状況です。ところで、日本の体制として、議院内閣制をとっているということは知っていますか。中学校の公民で習うので、知っているはずなんですよ。議院内閣制とは、内閣が国会の信任に基づいて成立し、国会に対して責任を負う制度と説明されます。憲法によれば、内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名されます(憲法67条)。内閣総理大臣は、国務大臣を任命するのですが、国務大臣の過半数は、国会議員の中から選ばれなければいけません(憲法68条)。内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければいけないんです。だから、国会議員を選ぶことは総理大臣を選ぶことだと思って投票すべきなのです。
長期在職議員
岐阜県選出の国会議員は長期に渡って繰り返し当選してきた人が多いのです。第1区の野田聖子衆院議員の初当選は1993年です。今年が2025年ですからもう37年衆院議員をやっておられることになります。第2区の棚橋泰文衆院議員は1996年に初当選してこちらも連続して当選されています。この方たちが当選したころから、就職氷河期に突入し、郵政民営化、リーマンショックなどいろいろなことがありましたね。2009年から2012年には旧民主党が政権を担いました。今、日本はよくなりましたか。よくなったなら、米が高くて買えないなんてことないですよね。就職氷河期世代の人たちが安い給料のままですか。厚生年金の積立金を流用なんてしますか。外国人を優遇して、外免切替なんてして、交通事故を誘発しますか。もう一度言いますが、議院内閣制を取っているため、国会議員を選ぶことは総理大臣を選ぶことと同じです。何十年も国会議員をやっている人がいる一方で、総理大臣はコロコロ変わりましたね。なんだか、誰が議員になっても同じだと思えてきます。総理大臣を変えたいなら、日本を変えたいなら、国会議員を変えないといけないと思うのです。私は特定の政党を支持していませんが、少なくとも今の政策には明らかに不満です。だから、財務省の前でデモをするのもいいですが、ぜひ参院外選挙に行ってください。

岐阜の参議院議員選挙
岐阜の参議院議員選挙ですが、参議院は任期6年で3年ごとに半数を改選します。今回、任期満了となるのは大野泰正議員です。大野泰正議員は、当選回数は2回ですが、祖父と両親が政治家だったのです。政治家というかのは家業でしょうか。家業という言葉からは自分たちのためだけにやっているというイメージになりますね。家族総出でやって日本はよくなったのでしょうか。この方は自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、政治資金規正法違反で在宅起訴され、自民党を離党しています。自民党は新たな候補者を立てて選挙に臨みます。裏金問題の危機感からか、立候補を表明した県議会議員は春ごろから街頭に立っていますね。もちろん選挙のことは言わないですよ。そんなに早く選挙活動したら違反ですから。県議会議員として街頭演説することは問題ないですからね。ただ、最初に「自民党岐阜県連です。」と口火を切るスタッフの声を聞くと、「厚生年金の積立金流用反対!」「あなたも裏金もらったの?と」「今回はいくら裏金がもらえるの?」と心の中でつぶやいています。日本の行末を決めるのは投票権のある私たちです。さて、誰に、どこの政党に投票しますか。